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2023.09.05 |コードについて
「ドミナントモーション」 この言葉も、コード理論の勉強を始めると、 よく耳にするのではないでしょうか。 コードの本やアレンジの勉強本などでも、 始めの方のページで出てくることが多いです。 今回は、その「ドミナントモーション」についてと、 ドミナントモーションの種類についても、 それぞれ詳しく説明します。
目次
まず、思い出して頂きたいのが、 前回「ダイアトニックコードとは」の中で説明した、 ローマ字数字を付けた図です。
ダイアトニックコードの4和音の方のⅤ7 keyCの時のⅤ7の音はG7 ソ・シ・レ・ファ です。
G7含まれる「シ」と「ファ」の音程は、 増4度(=減5度)です。 これを「トライトーン」と言います。 どういうことかと言うと、 「トライトーン」=「トライアド(3つ組)」+「トーン(音調)」 シとファの間には、全音が3つ含まれます。 なのでトライトーンと言います。 そう、(全音)3つ組の音調。 これが、不安定な音調なのです。 Ⅴ7には、トライトーンが含まれ、 ドミナントモーションの意味を成すのです。
Ⅴ7 keyCの場合のG7 その中に含まれる「トライトーン」 「シ」と「ファ」 不安定なので、安全な場所へ落ち着こうとします。 「シ」は「ド」へ。 「ファ」は「ミ」へ。 つまり、「ド」と「ミ」が含まれるC(ド・ミ・ソ)に落ち着きます。 G7(Ⅴ7)からC(Ⅰ)に解決すると言います。 これが、プライマリードミナントモーション 通称「ドミナントモーション」です。 ※ダイアトニックコードのⅦも、ドミナントコードなので、トライトーンを含みますが、 Ⅰに解決するドミナントモーションをすることは滅多にありません。
鍵盤で、C→G7→C と弾いてみて下さい。
あれ?どこかで聞いたことあるような・・・
そう、小学生の頃、
全校生徒が集まって整列した時に、よく耳にした
「気をつけ!」「礼!」「(元に戻って)気をつけ!」
この時の音です。
C→G7→C
=「気をつけ」→「礼」→「(元に戻って)気を付け」
なのです。
「礼」をしたままでは、姿勢が不安定です。元の体制に戻りたいです。
この「礼」→「(元に戻って)気をつけ」
これが、ドミナントモーションの響きです。
Ⅴ7(ドミナントコード)→Ⅰ(トニックコード)
keyCの時 G7→C、またはC△7
keyDの時 A7→D、またはD△7
マイナーkeyの時も同じです。G7→Cm、またはCm7
ダイアトニックコード上の、Ⅰに解決するドミナントモーションに対して、 Ⅰ以外に解決するドミナント7thコードのことを、 「セカンダリードミナント」といいます。 つまり、Ⅰ以外のダイアトニックコードを、一時的なトニックコードとして、 そこに解決しようとするドミナント7thコードのことです。 ただし、Ⅶ(Ⅶm7♭5)は、それに含みません。 それ自体が不安定なコード(ドミナントコード)だからです。 keyCの場合の、Ⅱ~Ⅵに解決するセカンダリードミナントは、 以下のようになります。 Ⅱ(Dm・Dm7)に解決するⅤ7・・・A7→Dm(Dm7) Ⅲ(Em・Em7)に解決するⅤ7・・・B7→Em(Em7) Ⅳ(F・F△7)に解決するⅤ7・・・・C7→F(F△7) Ⅴ(G・G7)に解決するⅤ7・・・・・D7→G(G7) Ⅵ(Am・Am7)に解決するⅤ7・・・E7→Am(Am7)
①Keyに対して、ダイアトニックではないコードトーンを最低1つ含む。 例えば、keyCのⅡ、D(Dm7)のセカンダリードミナントA7は、 ラ・ド♯・ミ・ソ ド♯は、keyCのダイアトニックスケールに含まれない音です。 ②ルートが5度下降することによってダイアトニックコードに解決する。 ③ルート音は、ダイアトニック
「サブスティテユードドミナント(裏コード)」とは、 一言で言うと、 ドミナント(Ⅴ7)の中に含まれるモノと同じトライトーンを含むコードです。 どういう事かと言うと、 keyCの場合のドミナント(Ⅴ7)はG7 ソ・シ・レ・ファ この構成に含まれるトライトーンは、 3thの「シ」と7thの「ファ」 それを反転させ、3thを「ファ」、7thを「シ」にした場合に作られるドミナント7thコードは D♭7 です。 これが、 通称「裏コード」と呼ばれるコードです。
Ⅴ7の代理としても使うことができます。 keyCで C△7→F△7→G7→C△7 の進行を C△7→F△7→D♭7→C△7 に。 または、 C△7→F△7→G7→D♭7→C△7 にすることもできます。
これらのドミナントモーションを多用している曲は多いです。 手持ちの楽譜を見て、ドミナントモーションの部分を探してみて下さい。 ドミナントコードはどれか、そして、それがどのように解決しているか、 分析してみても面白いと思いますよ。 そして何より、 ドミナントモーションは、アレンジの際にも使えます。 コードって面白い、もっと勉強したい、と思われた方は、 是非こちらへ。