お問合せ可能時間 平日
10:00~19:00

Bright音 090-7350-4133

BLOG
ブログ

sungrove

2023.09.05 |コードについて

ドミナントモーションについて~音楽理論の基礎をマスターしよう~

「ドミナントモーション」
この言葉も、コード理論の勉強を始めると、
よく耳にするのではないでしょうか。
コードの本やアレンジの勉強本などでも、
始めの方のページで出てくることが多いです。
今回は、その「ドミナントモーション」についてと、
ドミナントモーションの種類についても、
それぞれ詳しく説明します。

ドミナント7thコードの機能(不安定)

ーV7の構成

まず、思い出して頂きたいのが、
前回「ダイアトニックコードとは」の中で説明した、
ローマ字数字を付けた図です。



ダイアトニックコードの4和音の方のⅤ7
keyCの時のⅤ7の音はG7
ソ・シ・レ・ファ です。

ートライトーン

G7含まれる「シ」と「ファ」の音程は、
増4度(=減5度)です。
これを「トライトーン」と言います。

どういうことかと言うと、
「トライトーン」=「トライアド(3つ組)」+「トーン(音調)」
シとファの間には、全音が3つ含まれます。
なのでトライトーンと言います。
そう、(全音)3つ組の音調。
これが、不安定な音調なのです。

Ⅴ7には、トライトーンが含まれ、
ドミナントモーションの意味を成すのです。

プライマリードミナントモーション

ードミナントモーションの仕組み

Ⅴ7 keyCの場合のG7
その中に含まれる「トライトーン」
「シ」と「ファ」
不安定なので、安全な場所へ落ち着こうとします。

「シ」は「ド」へ。
「ファ」は「ミ」へ。

つまり、「ド」と「ミ」が含まれるC(ド・ミ・ソ)に落ち着きます。
G7(Ⅴ7)からC(Ⅰ)に解決すると言います。




これが、プライマリードミナントモーション
通称「ドミナントモーション」です。

※ダイアトニックコードのⅦも、ドミナントコードなので、トライトーンを含みますが、
Ⅰに解決するドミナントモーションをすることは滅多にありません。

ードミナントモーションの響き

鍵盤で、C→G7→C と弾いてみて下さい。

あれ?どこかで聞いたことあるような・・・

そう、小学生の頃、
全校生徒が集まって整列した時に、よく耳にした
「気をつけ!」「礼!」「(元に戻って)気をつけ!」
この時の音です。

C→G7→C
=「気をつけ」→「礼」→「(元に戻って)気を付け」
なのです。

「礼」をしたままでは、姿勢が不安定です。元の体制に戻りたいです。
この「礼」→「(元に戻って)気をつけ」
これが、ドミナントモーションの響きです。

Ⅴ7(ドミナントコード)→Ⅰ(トニックコード)
keyCの時 G7→C、またはC△7
keyDの時 A7→D、またはD△7

マイナーkeyの時も同じです。G7→Cm、またはCm7

セカンダリードミナント

ーセカンダリードミナントの仕組み

ダイアトニックコード上の、Ⅰに解決するドミナントモーションに対して、
Ⅰ以外に解決するドミナント7thコードのことを、
「セカンダリードミナント」といいます。
つまり、Ⅰ以外のダイアトニックコードを、一時的なトニックコードとして、
そこに解決しようとするドミナント7thコードのことです。
ただし、Ⅶ(Ⅶm7♭5)は、それに含みません。
それ自体が不安定なコード(ドミナントコード)だからです。

keyCの場合の、Ⅱ~Ⅵに解決するセカンダリードミナントは、
以下のようになります。
Ⅱ(Dm・Dm7)に解決するⅤ7・・・A7→Dm(Dm7)
Ⅲ(Em・Em7)に解決するⅤ7・・・B7→Em(Em7)
Ⅳ(F・F△7)に解決するⅤ7・・・・C7→F(F△7)
Ⅴ(G・G7)に解決するⅤ7・・・・・D7→G(G7)
Ⅵ(Am・Am7)に解決するⅤ7・・・E7→Am(Am7)

ーセカンダリードミナントの特徴

①Keyに対して、ダイアトニックではないコードトーンを最低1つ含む。
 例えば、keyCのⅡ、D(Dm7)のセカンダリードミナントA7は、
 ラ・ド♯・ミ・ソ
 ド♯は、keyCのダイアトニックスケールに含まれない音です。
②ルートが5度下降することによってダイアトニックコードに解決する。
③ルート音は、ダイアトニック

サブスティテユートドミナント(裏コード)

ー裏コードの仕組み

「サブスティテユードドミナント(裏コード)」とは、
一言で言うと、
ドミナント(Ⅴ7)の中に含まれるモノと同じトライトーンを含むコードです。
どういう事かと言うと、
keyCの場合のドミナント(Ⅴ7)はG7
ソ・シ・レ・ファ
この構成に含まれるトライトーンは、
3thの「シ」と7thの「ファ」
それを反転させ、3thを「ファ」、7thを「シ」にした場合に作られるドミナント7thコードは
D♭7 です。



これが、
通称「裏コード」と呼ばれるコードです。

ー裏コードの特徴

Ⅴ7の代理としても使うことができます。

keyCで
C△7→F△7→G7→C△7
の進行を
C△7→F△7→D♭7→C△7 に。

または、
C△7→F△7→G7→D♭7→C△7 にすることもできます。

まとめ

これらのドミナントモーションを多用している曲は多いです。
手持ちの楽譜を見て、ドミナントモーションの部分を探してみて下さい。
ドミナントコードはどれか、そして、それがどのように解決しているか、
分析してみても面白いと思いますよ。

そして何より、
ドミナントモーションは、アレンジの際にも使えます。

コードって面白い、もっと勉強したい、と思われた方は、
是非こちらへ。
コード奏法マスターコースについて~ピアノコード弾きのレッスン~

投稿者プロフィール

ぶらいと・おん
ぶらいと・おん
ポピュラーピアノ教室「ぶらいと・おん」講師

譜面にとらわれず、自由にピアノを弾けるようになるために、音楽理論を基礎から学びます。習得するまで、個人のペースに寄り添ってレッスンを進めます。オンラインレッスンも行っています。
Bright音